このような悩みに答えます。
今回はReFiの概要・始め方について解説します。
本記事では、初心者にもわかりやすく解説していきますのでぜひ最後までご覧ください。
- ReFiとはなにか
- ReFiの特徴
- ReFiを今から始めた方がいいのか
ReFiの概要
ReFiをひとことで言うと?
ReFiをひとことで言うと、お金の流れを変えることで環境問題や気候変動・生物多様性の問題を解決しようとする取り組みです。
ReFiではブロックチェーン技術が大きなキーワードと言えます。
ReFiは「Regenerative Finance」の略です。
Sustainability(サステナビリティ)という単語を聞いたことがある方も多いと思いますが、これは何かを「維持する」というニュアンスです。
一方、Regenerativeは何かを「前の状態よりさらに良くする」過程というニュアンスで使われます。
またもう一つ、金融を意味する”Finance”という単語が入っていますね。
ReFiは金融と深い関係があります。
これからご紹介しますが、金融の力を使いながら、環境を前の状態よりさらに良くするのがReFiとなります。
ReFiはなぜ金融が関係するのか
言葉の意味はわかっても、なぜ環境問題と金融が関係あるのか疑問ですよね。
この疑問に答えるためには、SDGsを考えると分かりやすいので例に挙げます。
SDGsが目指すもの
SDGsは、人々と地球の平和と繁栄していくための、国際社会において共通で合意されている17の目標です。
この目標を達成するために、日本でもレジ袋が有料化されたり、企業がお金をかけて環境に優しい商品をアピールしたりしています。
このように、環境に配慮しようとすると、必要になるのがお金。
多くの企業や人にとって、環境に配慮するためのお金=コストと捉えられています。
ですが、SDGsが目指しているのは、持続可能な社会・環境だけでなく、経済成長の両立。
これを両立するためには、持続可能な社会・環境の実現に向けて、経済的なインセンティブが必要になると考えられます。
社会・環境とお金の流れの関係
つまり、環境への取り組み=「儲からない」ではなく、環境への取り組み=「儲かる」というパラダイムシフトが必要なのです。
このように、本当に持続可能な社会・環境を実現するためには、お金の流れを再設計する必要があります。
これがReFiが誕生した背景です。
ReFiが取り組む課題
具体的に、ReFiはどのような課題に対してアプローチできるのでしょうか?
ここでは2つ、ご紹介します。
気候変動の課題
気候変動の課題に対するアプローチとして注目されているのが、カーボン・オフセットという考え方です。
これは、自分以外の誰かに温室効果ガスの削減を委託できる仕組みです。
温室効果ガスを削減するには、自分で削減するしかありませんでした。
ですが、どうしても削減できないケースもあります。
その場合、資金を提供する変わりに、第三者に温室効果ガスの削減を委託する取引ができる仕組みがカーボン・オフセットです。
カーボン・オフセットの課題は、誰がいつ、どれ程の取引をしたのかが分かりづらい点でした。
そこで、この取引をより明確に、管理しやすくするためにReFiが注目されているのです。
生物多様性の課題
気候変動の課題で扱われていたのは、温室効果ガスでした。
ですが、これからはもっと多様なものがReFiによって扱われる可能性があるのです。
それは、我々をとりまく環境であり自然資源です。
森や草木、珊瑚礁、動物や昆虫まで、あらゆるものをデジタルに表現し、世界経済と連動させるReFiを活用することで自然資源の保護が可能になります。
社会的な不平等と正義
ここまでは環境に注目してきましたが、ReFiは人間社会にも大きな影響を与えます。
文明が発達し、社会課題はより複雑になりました。
例えば、SDGsの目標にも、目標16.「平和と公正を全てのひとに」目標17.「パートナーシップで目標を達成しよう」があります。
テクノロジーが発達し経済が発展しても、ジェンダーの不平等や、人種差別の問題などは残りました。
ReFiで人間関係と信頼を再設計することにより、その結果として紛争や犯罪を解決することが出来るかも知れません。
ReFiの例
ReFiとカーボン・オフセット
ReFiのなかでも、脱炭素化に向けたカーボン・オフセットは大きな取り組みの一つです。
カーボン・オフセットでは、脱炭素化を手伝って欲しいひとと、脱炭素化を手伝えるひとが取引します。
この取引に使われるのが、カーボン・クレジットです。
カーボン・クレジットとは?
カーボン・クレジットは、温室効果ガスを一定のルールに基づいて定量化したもの。
つまり、脱炭素化を手伝って欲しいひとはこのカーボン・クレジットを手に入れる必要があります。
カーボン・オフセットに取り組むReFiの例
カーボン・オフセットに取り組むReFiとして有名なのが、『Klima DAO』です。
Klima DAOを気候変動の市場を効率化することを目的とした組織です。
Klima DAOは、カーボン・クレジットに連動した暗号資産である「KLIMA(クリマ)」を発行しています。
暗号資産を利用することの大きなメリットは3つあります。
- 世界中で取引が可能であること
- 2重計上を防げること
- 透明性を担保できること
順番に見ていきましょう。
世界中で取引が可能であること
暗号資産は、国境なく取引することができます。
2重計上を防げること
これまでのカーボン・クレジットを取引するカーボン・マーケットの課題は、市場の整合性や標準化が困難な点でした。
暗号資産を利用することにより、不適切な会計処理を防ぐことができます。
透明性を担保できること
また、誰でも履歴を参照可能という特徴をもつ暗号資産を使うことにより、グリーンウォッシュを防ぐことも可能です。
グリーンウォッシュとは、環境に配慮しているフリをして、一般大衆に納得させるための PRやマーケティングを行うことです。
ReFiの特徴
では、ReFiにはどのような特徴があるのでしょうか?
ReFiにはブロックチェーン技術が使われている
お金の流れを再設計する。
これは今までの資本主義では、達成することができなかった大きな変化が求められます。
そこで、注目されているのがブロックチェーン技術であり、Web3.0です。
Web3.0とは、新しいインターネットの概念であり、正式な定義はありません。
ですが、ReFiを知る上で大切なWeb3.0の特徴は、「透明性」と「管理しやすさ」の2つ。
誰でも分かるように(透明性)、中央集権的ではなく分散して管理される世界を目指しています。
これを可能にするのが、ブロックチェーンという技術です。
ReFiはDeFiと深い関係性がある
DeFiという新しい言葉がでてきました。
DeFiとは、”Decentralized Finance”の略称で、日本語に訳すと、「分散型金融」を意味します。
現在は中央集権型の金融であり、個人間の取引に、必ず中央に銀行や証券会社が介在しますね。
例えば、お金を借りたいAさんと、お金を貸したいBさんがいても、直接お金を貸し借りせず銀行を介します。
なぜなら、銀行を介することでこの取引を信用することができるからです。
分散型金融では、取引をブロックチェーンで管理することにより、銀行を介すことなく取引を信用することができるようになります。
このような仕組みをDeFiと呼び、実はDeFiを応用して環境問題や社会問題を解決しようとしているのがReFiなのです。
ReFiとDAOは相性がいい
DAOとは簡単にいうと、社長のようなトップがおらず、メンバーが自律的な組織です。
DAOは、手間と時間のかかる株式会社の仕組みとは大きく異なります。
同じ価値観を共有し、目的を同じくする人が集まるコミュニティのような存在。
グローバルにメンバーを募ることができ、株主の利益還元などを考えず、本来の目的を果たすために活動することができます。
DAOについての詳しい解説はこちらをご参考に。
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気候変動や社会問題の解決を目的としたReFiには、株式会社よりもDAOの方が相性がいいと考えられています。
ReFiはNFTと相性がいい
カーボン・クレジットに使われ始めているのがNFTです。
NFTとは、唯一無二の存在であることを証明できるデジタルデータです。
NFTはイラストの側面が強調されがちですが、特定のユーティリティ(利便性)機能を持たせた活用方法もあります。
NFTについての詳しい解説はこちらをご参考にしてください。
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これまでカーボン・オフセットは、個人単位で行うことはむずかしいという課題がありました。
そこで、個人でも手に入れやすいNFTをカーボン・オフセットに活用することで、市場の参加者層をひろげることが可能になります。
ReFiのメリット・デメリット
ReFiのメリット
ReFiのメリットは3つあります。
- 気候変動や社会問題を解決することに対する経済的なインセンティブを持たせることが出来る
- ReFiはブロックチェーンや暗号資産を活用することによって、取引の透明性を担保し、グローバルに取引することができる
- ReFiの運営では、中央集権的な組織ではなく、目的や価値観を共有するコミュニティ単位でも活動することが出来る
ReFiのデメリット
ReFiのデメリットは市場への参加者がまだ少ない点です。
そもそもブロックチェーンや暗号資産に抵抗を持つひとも多く、まずはこのイメージを変えて行く必要があるかも知れません。
ReFiに関心があり関わっているひとは一握りであり、広く普及するにはまだ時間がかかります。
ReFiの始め方
KLIMAのはじめ方を簡単に解説します。
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- Step2JPYC MarketplaceでJPYCを購入する
JPYC Marketplaceでメタマスクを接続し、必要事項を入力していきます。
- Step3JPYCとKLIMAを交換(スワップ)する事前にJPYCとKLIMAのコントラクトアドレスを確認し、メタマスク上で交換する
KLIMAを手に入れることができれば、KlimaDAOに参加して投票に参加したりすることができます。
ReFiの将来性
気候変動の問題一つとっても、国際社会では無視することができない最重要課題の1つとして捉えられています。
その注目度は、経済的な流れにも現れています。
社会や環境などへの影響を考慮するESG投資は、2016年の22兆8390億ドルから2020年には35兆3010億ドルにもなり、この分野への投資額の成長は目を見張るものがあります。
世界の投資が集まるこの分野で、Web3.0の概念を取り入れたReFiは今後大きな役割を果たしていく可能性が高いと言えます。
まとめ
注目のサービス、ReFiの魅力は伝わったでしょうか。
ReFiはややむずかしい分野になりますが、Web3.0で環境問題に取り組むこれから注目の分野です。
最後に、この記事をもう一度まとめます。
- ReFiはお金の流れを変えることで環境問題や気候変動・生物多様性の問題を解決しようとする取り組み
- ReFiにはブロックチェーン技術が使われる
- ReFiの注目分野はカーボン・オフセット
- いま注目のReFiはKlimaDAO
この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。